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ヒーローたちのいる国

【概要】新型コロナウイルスとの戦い。ロックダウン。自粛要請と不要不急。アベノマスク。勇者ライディーンと雷電。マジンガーZ・グレンダイザー・ウルトラマン・仮面ライダー・ヒーローのいる国。


◇コロナとの戦い

最近の本コラムは、コロナの話題ばかりで恐縮ですが、今回もコロナ関連の話題からです。

少し前の本コラムで、「クラスターにはクラスターで対抗する」ということも書きましたが、東京の場合、これで制圧することができませんでした。
手に負えない段階まで進んでしまいそうな段階か、すでに進んでしまった段階のどちらかといったところです。
都民への呼びかけや規制が、甘かったかどうかは、終息後で検討してもらうとして、今は、この より進んだ段階に対応するしかありません。

* * *

コロナ対応策は、国によって、さまざまなかたちが見られますね。
皆、一様ではありません。
国によって、国民性も社会構造も、文化も歴史も思想も異なります。

日本では、自然死や突然死した人を解剖し、死因を確認する社会システムがほぼないといえますので、特別なケースでなければ、それぞれの死因を確かめられません。
ですから、そうした死は、仮にコロナが原因だったとしても、まず わかりません。

* * *

日本とスウェーデンは、検査数をおさえ、中等や重症患者を最優先に治療し、今は軽症者を、隔離入院か自宅待機などをさせています。
当初は、クラスターをひとつづつ、つぶしていく手法でしたが、東京では、そろそろ手に負えなくなってきたとも考えられます。
さらに、東京では、市民への自粛要請など、ほぼ通用しません。
今、東京では、皆さまご存じの通り、感染者が猛烈なスピードで急増しています。
これを書いている前日の東京都の新規感性者数は118名でした。


◇決断は必要なのか…

今、専門家会議や、大元である医師会などの医療関係者、NHKを含む多くのマスコミらが強く催促しているにも関わらず、政治的な決断が行われていません。
というよりも、かたくなに路線変更しないともいえます。
じっと我慢しているのか、それとも何かを待っているのか、私にはわかりません。
政府からは、詳しい説明がありません。

ロックダウン(都市封鎖)を、東京で行うのと、地方都市で行うのとでは、大きく意味が違うのは十分に理解できます。
ですが、もし、国民の生命ではない、別のものを最優先するのであれば、その犠牲者の数を、当局はどの程度まで覚悟・許容しようというのでしょうか。
医療崩壊や大量の犠牲者を出させても、守るものが別にあるのであれば、どういう理由で、どういう考えでそう判断するのか、そこをしっかり説明する責任があると思います。

今、断片的に何かに向けた大掛かりな準備のニュースを、毎日 耳にし始めましたが、これも、国から「今、こうした理由で何をどのくらい準備します」くらいの情報は一括して出してほしいものです。
発信元のわからないバラバラの情報が多すぎる気がします。

国民の側からすれば、国がそういうことなら、企業団体や個人は各自それなりの対策をとるしかありません。

* * *

今、東京では、濃厚接触者でさえ「PCR検査」を受けることができない状況のようです。
味覚や嗅覚の異常の症状があっても、すべてが検査を受けられるものでもないようです。

昨日、米国大使館は大使館関係者に、日本では検査を受けられないことなどを理由に、帰国を促し始めました。

検査数からみた陽性率の圧倒的な高さから考えると、やはり、準備できているベッド数の範囲に感染者の数がおさまるように、検査を限定していると想像してしまいます。

日本やスウェーデンは、検査を、感染拡大防止のために行うものという理解ではないということなのかもしれません。
検査を、重症の患者を確定させるために行うものとして運用しているのかもしれません。
そうであれば、WHOとの解釈の違いも理解できるような気がします。

* * *

たしかに、この両国は、さまざまな縛りが少なく、個人の自由も多く、福祉を比較的しっかり行っています。
縛りがない分、自己責任は大きく問われるような気がしないでもないですね。
生死も自由だが、それは自己責任だというのでしょうか…。

これが人の命に関わる問題でなければ、パニックや経済崩壊を起こさせないという理由も成り立つかもしれませんが、今の東京の状況は、ニューヨークやロンドン、パリなどのはじめの頃によく似ているとも、テレビ報道でたいへん多く耳にします。

多くの専門家や、その分野のトップたち、各界の有識者が語っている提言を、はたして無視してよい段階なのかどうか…?


◇検査数

今、東京では、大慌てでベッド数を増やしており、いずれ何らかの増床の発表があると思われます。
ニューヨークやロンドンのように、大型公共施設を臨時の収容施設として利用できるように調整している最中なのかもしれません。
先日は、日本財団やアパホテルなどが、ベッドの増床にチカラを貸すという発表もありました。

そのベッド数に見合った数の感染者数になってもよい段階になって、検査数を増やすことになるのかもしれません。
そうなった際は、驚くような感染者数が、毎日 発表されるようになるのか、ならないのか、まったく想像もできません。

ここで考えておきたいのは、ベッド数は増えても、医療従事者が増えるわけではありません。
言ってみれば、収容するベッドが増えるだけかもしれません。
それに、これはおそらく軽症患者のためのものではないでしょう。

東京都内の大病院の院内感染も、この数日で、毎日のように発表されるようになりました。
地方から東京を支援する医療従事者の動きも、耳にしません。
今や、各地方も、自分たちの地域で手一杯かと思います。

* * *

私は、医療体制の崩壊と、検査の規模は、本当は別次元の話しだと感じます。
結び付けているのは、政治であり、政策なのかもしれません。
検査規模を大きくして感染者数が多くなっても、医療体制を崩壊させないで済んだ例も、小さい範囲でしたがありましたね。
感染爆発は人間ではどうしようもない部分もあるでしょうが、医療体制の崩壊は人間の知恵で止められるとも感じます。

もし、コロナウイルス以外の要因、つまり、検査できる体制なのに、しなかったことで手遅れになる犠牲者が、想定以上に多く出たとしたら、それは人災そのものかとも思ってしまいます。

さまざまな経済対策、生活困窮者対策、膨大な数の感染者のコント―ロール体制が整うまでは、最終決断を行わないのであれば、それまで、医療体制が維持できるのか非常に心配です。

医療従事者たちは、疲弊から持ちこたえてくれるでしょうか…。
そのあいだに、感染はどんどん拡がっていきます。


◇ロックダウンになったとしても…

日本の感染者の増加状況は、世界の他の国々の状況から、少し遅れて、よく似たかたちになってきました。
日本の中では、東京がもっとも先に増加の傾向が進んでいるように感じます。
同じ傾向が、大阪にもすでに見てとれます。
各地方都市にも、いずれ波及していくことになるのでしょうか。

今、ロックダウン(都市封鎖)が発せられた場合に起きることという内容で、多くのテレビやラジオ、ネットや新聞などで紹介されていますね。
緊急事態宣言にしても、ロックダウンにしても、その状況下になった場合に、私たちは何ができて、何ができないのか、何をすることがリスクが高いのか…?

* * *

たしかに、東京の場合は、世界の他の大都市よりも、かなり大きな影響を及ぼす懸念もないわけではありません。
想像もしていなかったような現象も起きるでしょう。

ですが、日本はあの戦災から立ち直った国です。
大きな痛手を受けても、生きていれば、皆が協力しあって戻ってくる国民性もあります。

日本の国は、歴史を振り返ると、大きな傷を受けながらも、障害を何度も乗り越えながら、その度に、たいへん大きなチカラを身につけ成長しました。
これは国民も同じです。
新しい能力や技術を身につけ、新しい思想や教養を身につけ、立ち上がってくるのが日本人特有の国民性です。
外国人が、驚き、不思議がり、恐れる部分が、そこにありますね。

個人的には、多くの日本人のチカラに、まだまだ期待している部分もあります。
環境と理念さえしっかり与えられたら、危機の中から、いろいろな分野で活躍する日本人が多く出てくるのではないでしょうか。
その分野をよく知らない門外漢の人物に任せるより、彼らに、ある程度任せてあげたい気もします。
そういう人物の周りには、その人を助ける人物も多いはず…。

ロックダウンのダメージは、相当に大きくなる可能性ももちろんありますが、そこを乗り越えるプランこそ大切な気がします。
単なる景気刺激策とか、給付金のレベルではない気もします。
給付金はもちろん大事ですが、あくまで急場しのぎです。

大地震のような災害でいえば、「大地震が来る日」がわかることも、それなりに意味はありますが、「大地震からの復興プラン」のほうが、より意味は大きい気がします。


◇要請って何?

頼もしい日本人とは逆に、今回、少し悲しい状況も多く目にしています。
東京で、「自粛要請」のことを誤って理解している若者や一部の大人が、どれほど多いことか…。
別の国のことだと思っているのかもしれません。
要請に応じないのは、若い世代だけでは決してありません。
「要請」のあったことさえ知らない大人も非常に多かったりします。

それに、会社に勤務する立場であれば、会社が開いていれば、出勤せざるを得ません。
日銭で食べている人たちは、ある意味、自分の命よりも、職や仕事のほうが優先です。
都知事が「人の命に関わることです」といくら切々と語っても、効果には限界があります。
理解していないのではなく、理解しても自粛できない人が膨大にいるのです。

個人のとらえ方に任された、好き勝手に判断してよい「不要不急」など、意味のある言葉とは思えません。
実際に、出歩く人間が、これほど多く残ってしまうのであれば、感染抑止効果はごくわずかとも感じます。
テレビで放送される風景は、ごく一部の極端な風景だけだと感じます。

* * *

家族で、今後どのように家や家族を守るのか、話し合っていますか?
まだ「そうなったら困るよね」と言っていられる段階のうちに、話し合っておいてほしいものです。
おそらく、その時は、家庭に突然やってくるのだと思います。
地方の方は、東京の動きを、しっかり見ていてください。


◇どの道を選択する?

もはや、コロナを「恐れる」だけでは、精神的にもつらくなりますね。
「一刻も早く、早く」ではなく、「落ち着いて、長期戦でコロナと戦う」と、私自身は切り替えました。
安倍首相も、同じような意味あいのことを語っていましたね。
時間がかかっても、 社会全体として、少しでもダメージが少ない状態で終息してほしいと思います。

今の段階では、どこかの誰かが自分自身の命を守ってくれるわけではありません。
結果的に、国や自治体が守ってくれる場合もあるかもしれませんが、まずは本人の行動ではないかとも感じます。

* * *

東京の場合は、これから感染した場合に、中等か重症でなければ病院には入れてくれない方向性のようです。
まだまだ検査までの道も、遠いものです。

仮に軽症の感染者になった場合、これからは、自宅かホテルなどの収容施設などでの静養となっていく方向性のようです。
その場合に、薬をくれるのかどうか?
容体が急変したら、どうしたらいいのか?
ホテルには、医療関係者がいるのか?

「軽症だから」と言われても、ある意味、その心的ストレスは相当なものだと想像します。
家族も、どのように対処したらいいのでしょうか?
両親が感染者となって、子供だけ取り残されたら、どうすればいいでしょうか?
これが、自分の幼い子供が軽度の感性者扱いとなったら、親なら…。

「日本経済のために犠牲になってくれ」なんて、もし言われても、協力したい気持ちはあっても、納得できるものでは到底ありません。

今回の困窮者対策の給付金措置は、まだ詳細が発表されていませんので、何とも言えません。
先走り過ぎるような景気刺激策も、直近でどの程度まで効果があるのか、私にはわかりません。
先走り過ぎて、そこまで各企業がもつのかもわかりません。

あのマスク2枚の件も、その数百億円で、患者の収容施設や人工呼吸器、医療用マスク、新たな医療従事者を、どのくらい作れるだろうかとも感じてしまいます。

もし、緊急の決断が数日遅れただけで、どのくらいの犠牲者が出るのかと考えると、今回の決断の先延ばしの責任を誰がとってくれるのでしょうか。
万が一、人間ではなく、一部の市や町が破綻消滅するようなことがあれば、その地域の住民はどのように考えるでしょうか。

* * *

責任ある立場の人には、優先順位を考えている段階なのか、バランスを考えている段階なのか、終息後のことを考えている段階なのか、よくよく考えてほしいと思っています。

何かを「選択する」段階にきているように感じます。
政権でも、自治体でも、企業団体でも、家庭でも、個人でも、そうなのかもしれません。
生き残れることさえできれば、その後は、なんとかなるような気もしますが…。

コロナと運命をともにするというのであれば、別ですが…。
コロナのほうは、ともにする気はまったくありません。
どの道を選択しようが、どうぞご勝手に…といったウイルスたちです。


◇決断の時?

本当に残念でなりませんが、志村けんさんが亡くなって、加藤茶さんが語っていました。
「志村も、自分が死んだとわかっていないのでは…」。

人は、決断すべき時に、やるべき事をわかっていないと、決断などできませんね。

* * *

今回、学生の学業のことを語る人もいますが、彼らは「学業」とは何かをしっかり理解してくれているのでしょうか。
問題は、学業ではなく、個々の子供たちの学力や状態ではないかと感じます。

今、空気の悪い狭い職員室で、すし詰め状態で、困った表情で頭を並べ、いつまでも話し合いをしている方々…、そのあいだに、どこかの子供が感染の犠牲になっているかもしれません。
話し合っているのは、自分たちの仕事の遂行と将来の生活のことということはないですか…?

企業が会議室や会見場などで行うのと同じように、1メートル離して、体育館に椅子を並べることが、子供を守ることだと、本当に理解しているとしたら、この風景を大きく見誤っている気がします。
ある小学校の判断が、津波被害で、たいへんな数の犠牲者を出してしまいましたが、同じようなことをしてはいけません。

この休校措置期間で、学力や人間力が飛躍的に伸びた子も多いはずです。
その逆も多いでしょうが、子供により千差万別だと思います。

今回の休校措置で、親は、我が子の特徴や個性、学力を大きく知ることになったと思います。
先生の方々には、自身の都合ではなく、それぞれの子供たちのことをしっかり見ていてほしいものです。
学業と学力は、まったく別のものだと感じます。

* * *

教育現場の先生方の苦悩や迷いは、痛いほど理解できますが、決断の時は迫っています。
昨日、兵庫県の高校生たち自身が、業を煮やして立ち上がりました。
千葉県も、方向性を急転換させました。

目の前の生徒たちを守るのは、国でも自治体でもなく、現場の先生方です。
その地域の感染状況にもよりますが、何を優先するのか、しっかり決断してください。
もちろん、親が決断するということだって、ありますね。

* * *

今、日本は、各方面で有識者の方々が声をあげ始めていますね。
本気で、ウイルス研究し始めた方も多くいます。
医療従事者の中には、自分の命と引換えてでも がんばるという覚悟を決めた方も多いと思います。

ウイルス感染防止の瀬戸際とは別の意味の、何かの瀬戸際が、今の日本には、たくさんあるのかもしれませんね。
中には、越えてしまったものもあるのかもしれません。

今回のコラム内容を、地方にお住まいの方々はどのように感じておられるかわかりませんが、東京はそれほどの状況だと私は感じています。
地方都市の方々は、他の街の話しだと、決して思わないでください。

私は、お気楽な内容と気分でコラムを書ける日が、早く戻ってきてほしいと思ってはいますが、そうはなりそうもない気がします。
後は、覚悟を持って、その日を待つだけです。

心身の面でも、経済的にも、学業だって、就職だって、生きていれば、何とかなります。
日本人は、何度も乗り越えてきました。
あなたも、きっとできると思います。


◇ゆけゆけ 勇者ライディーン

最後は、気分を180度変えて、少し明るい内容を…。

日本人は、危機に陥ると、不思議にチカラを発揮する民族だと前述しましたね。
最近は、休校措置で、昼間、家に子供たちが居ることもあり、ラジオ放送で子供向けの音楽を流す時間帯をあえて作っているケースが多くあります。
素晴らしいアイデアだと思います。
それぞれの分野なりに、戦い始める日本人が増えてきたといえますね。

そんな中、私はたまたま、ある古いヒーローもののテレビ番組の主題歌をラジオ放送で耳にしました。
おそらく数十年ぶりに耳にしました。

今のコロナ危機の中、単純で素朴ではありますが、その歌詞に非常に勇気づけられました。
大の大人の私の心の中に、何かの炎をつけてくれたのです。
そして、希望の光を見つけようという勇気が湧いてきたのです。

子供の頃は、こうしたヒーローものの楽曲を何度も聴いて、悪と戦う勇気をかき立てていたことを、数十年ぶりに思い出しました。
「緑の国を、平和な街を、守ろう」、「みんなの願いを体に受けて」なんて言葉を、何十年も耳にしてこなかった気がします。

* * *

この歌の歌詞を調べてみましたら、なんと、今は亡き山川啓介さんの作詞でした。
大人の歌謡曲の大ヒット曲を連発していた方が、子供マンガの主題歌を作詞していたとは、びっくりしました。
実は、子供番組の主題歌の作詞ほど難しいものはないのかもしれません。
矢沢永吉さんのロックの楽曲の作詞を手掛ける人物が、ヒーローものの作詞とは…、なんとなく うなづける気もしないことはないですが…。

その主題歌とは、「勇者ライディーン」です。
私が小学生の頃に見ていたロボットヒーローもののテレビ番組の主題歌です。

実は作詞した山川啓介さんの故郷は、長野県佐久市です。
佐久市のすぐ近くには、今の東御市(とうみし)がありますが、その東御市は、大相撲史上の最強力士といわれる雷電為右ェ門(らいでんためえもん)の出身地です。
雷電…、そうです、ライディーンです。
そうだったのかと、また驚いてしまいました。

* * *

個性的なロボットキャラの「ライディーン」は、東映の「マジンガーZ」に対抗して、当時の東北新社が、満を持して世に出したロボットキャラでした。
「ライディーン」は、東映の「マジンガーZ」や「ゲッターロボ」で得た多くのロボットファンを、たしか「グレートマジンガー」から奪っていったとも記憶しています。
そこで東映は、後に世界的な有名ロボットキャラとなる「グレンダイザー」をぶつけて、人気を奪い返したと記憶しています。
1970年代の、そんな大人たちの戦いも、当時は少し面白いと思っていました。

その後の、日本のロボットキャラの猛烈な数の登場は、皆さまもご存じのとおりです。
今や、世界各国の人たちのほうが、日本人より、日本生まれのロボットキャラやヒーローキャラに詳しかったりしますよね。

現代の今の日本社会のロボットたちは皆、何かキャラっぽい親しみを抱かせるのは、そうしたロボットキャラの歴史からなのかもしれませんね。


◇ヒーローたちのいる国

日本のロボットやヒーローものの番組の主題歌は皆、チカラ強さいっぱいでしたね。
昭和の時代の軍歌が、平和な時代になって、いい意味で進化して戻って来たような雰囲気も漂います。
歌詞の多くも、平和を作るとか守るとか、悪と戦うとか、徹底的に夢を追うような内容がいっぱいです。

競争の激しい70年代のヒーローものの主題歌のサウンドは、インパクトが非常に強いものが多いので、今のテレビ番組の中でも、今だに使われることがありますね。
そのインパクトは、現代でもしっかり通用する気がします。

* * *

日本の子供向けヒーロー番組は、まさに日本人の思想と英知の結晶ともいえますね。

前後にインパクトのあるしっかりした楽曲がついています。
名前のついていない、決まった形のない、必殺技など存在しません。
その名前をしっかり叫んでからの攻撃なども日本人ならではという気がします。
ウルトラマンやゴジラはその名を叫びませんが、ロボットものは、操縦者が必ず、その名前をカッコよく絶叫します。
主題歌にも、必殺技名は絶対に歌詞に入れてきます。

ヒーローが主役とはいっても、親しみがわくような個性的な悪役もたくさんいたりします。
制服を着た人間の戦闘部隊がヒーローを助けるという互助会システムも日本的です。
そこには友情や信頼などをしっかり盛り込んできます。
人間の戦闘部隊には、不思議なかたちの戦闘機や、奇妙で精巧な基地があったりします。
日本の子供は、秘密基地が大好きです。

なにより「合体」、「分解」、「変形」、「変身」などの特殊技術や技能は、日本人ならではの発想でしょう。

やけに星を眺めたり、夕陽に指をさしたりして、感傷的であったり、根性ものであったり、恋愛もあったり…。
さらに、ヒーローにも家族や恩師がいたりします。
最終回には、しっかり涙を誘う別れもやって来ます。

こんなロボットやヒーロー番組の様式美があるのは、日本だけかもしれません。

この多様な発想力が、日本人のどこから生まれてくるのか、今でも、よくわかりません。
外国人から見た、日本人の不思議のひとつですね。

スーパーマンも、バットマンも、スパイダーマンも、多くの悪役たちも、日本人から見たら、満足はできるのですが、何かが足りない気がしてしまいます。
ウルトラマンや仮面ライダー、マジンガーZやライディーンと、何かが違うのです。
ゴジラの描き方の日米の違いを見ると、何か少しわかるような気もします…。

* * *

それにしても、ロボット・ヒーローたちの操縦者たちは皆、どうして、フィギュアスケートの羽生結弦(はにゅう ゆずる) 選手にそっくりなのでしょう。
羽生選手は、スタイルも表情も、動きのカッコよさも、なにか人間離れしていて、ロボットアニメから人間が飛び出してきたかのようです。
機会がありましたら、「勇者ライディーン」のオープニング映像を見てみてください。

選手を引退したら、ぜひ主役として、ロボットヒーロー実写版映画に出てほしいと、個人的には期待していますが…無理かな。
70年代のロボットたちをCGプラス実写映画で復活させたら、世界的に当たるような気もします。

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日本人の「必殺技名好き」のことを前述しましたが、今回のコロナ問題での「アベノマスク」という名称も、さすが必殺技ネーミング大好き日本人の真骨頂(しんこっちょう)ですね。
もちろん「アベノミクス」からきています。
早くも、流行語大賞候補です。
こんな深刻な状況下なのに、笑いをとるとは…。

この不思議なマスク政策は、世界中でいろいろな意味で注目されていますね。
コロナ問題が終息し、平和な東京オリンピックをむかえたら、日本選手団はみな、顔に少し小さめの「アベノマスク」で行進してほしいですね。
米国も、今回やっと、マスクの偉大さに気がついてくれたようです。
オリンピックまでに、絶対に終息させましょう。

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さて、前述の「勇者ライディーン」の歌手は、「およげたいやきくん」で有名な子門真人(しもん まさと)さんです。
今思うと、子門さんのこの芸名も、骨のある素晴らしいお名前ですね。
子供向け番組の主題歌専門のカリスマ歌手がたくさんいるのも、日本だけかもしれません。

いつの時代も、現代の今も、女子だって、日本の子供たちはロボットキャラが大好きですね。
実は、大人になっても、好きなままなのかもしれません。
現代の今、決してロボットでなくても、しっかり必殺技を持っているキャラクターは、山ほどいますね。

皆さまも、そんな子供の頃の思い出の楽曲をお持ちかもしれません。
コロナ問題が終息したら、お孫さんやお子さんといっしょに、マンガ主題歌談義をするのも楽しいかもしれませんね。

* * *

今、コロナ危機の中、各分野で、頼もしい人間の無名のヒーローたちが多く出現してきました。

コロナの奴ら…、日本にどれだけの数の正義のヒーローがいるか知らないのだろうな…。

♪緑の国を、平和な街を、守ろう今日も、チカラの限り…。
♪まぶしい空を、輝く海を、渡せるもんか、コロナの手には…。

日本には、たくさんのヒーローたちがついています。


2020.4.5 天乃 みそ汁
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