「映像&史跡 fun」は、映像・テレビ番組・史跡・旅・動画撮影のヒントなどをご紹介するコラムです。


5月5日のかしわ餅 / 「こどもの日」を撮ろう

齢(よわい)五十を過ぎ、私は、特に「端午の節句」だから何かをしなければいけないということは、ありません。
ですが、今でも毎年、5月のこの時期だけ、行っていることがひとつあります。
それは、「かしわ餅」を、ごしょうばんに あずかること。

普段、他の時期に、「かしわ餅」を食することは、まずありません。特に理由はありませんが、他の菓子に目がむいているだけです。
和菓子は山のように種類がありますし、洋菓子だって、せんべいだって、チョコだって、食べたいです。

でも、この5月は、お店に行くと、ところ狭しと、渋い香りの葉に包まれたお餅が並んでいます。
お餅の、あのプクプクとした艶のある姿を見ると、なにかうれしさが込み上げてきます。

映像の仕事をしている私としては、何とも、シンプルなデザインの極み…。
渋い葉が一枚、これ以上の飾りは必要ありませんね。

口角をあげながら、手にしているお婆ちゃんの姿をよく見かけます。
私は、特に、「ヨモギのかしわ餅」のあの瑞々しい緑色に、ついつい誘われてしまいます。
「そろそろ新緑の季節だな~」とか言いながら、気がついたら手にしています。
今年は特に、箱に「祝・令和」とか書いてあったら、すぐに買ってしまいそうです。
「きっと、端午の節句をお祝いしている家庭では、子供たちがモグモグ食べているのだろうな」と想像しています。

菖蒲(しょうぶ)を軒下に吊るすとか、枕の下に敷くとか、菖蒲湯につかるとか、菖蒲酒や ちまきを食すとか、もう何十年もしていません。
もちろん、鯉のぼりや五月人形はありません。
でも、日本人なので、何か季節のお祝いにちなんだことを、ひとつくらいはしたいと思って、「かしわ餅」だけが残りました。

一年のうちの決まった時期や日にちに、決まったものを見るとか、食べるとか、行うとかの風習を実際に行うことは、小さな満足感を感じることができますね。
生活の中で、絶対に必要な行動ではありませんが、 クリスマスの日に、ケーキをひと口でも食べるのか、食べないのか、 5月5日に、かしわ餅を食べるのか、食べないのか、 人生には、ほんの一瞬でもいい、意味があってもなくても、大切にすべき行動というものがあるのかもしれませんね。

先日、かしわ餅を食べようとした時に、ラジオから、たまたま「こいのぼり」の童謡が流れてきました。
♪「屋根より高いこいのぼり~」です。
普段より、かしわ餅が、とてもおいしく感じましたよ。

今は、お父さん鯉、お母さん鯉、子供の人数分の鯉が、青空に並んで泳いでいるのを見かけることがあります。
都会のマンションや、住宅密集地では、大きな「こいのぼり」を屋外に飾れません。
家の中で、小さな鯉が並んで泳いでいる様子だって、親や祖父母の願いをしっかり感じます。

近年は、河川敷などに、たくさんの数の鯉がいっしょに泳いでいて、「あの鯉がうちの鯉だよ」といいながら写真や動画を撮っている家族も多いですね。
そんな仲良し地域も素敵です。

立派な「よろい兜」の武者人形は、もちろん素晴らしいですが、お父さんとお母さんの手作りの兜の折り紙だって、決して負けていませんよ。
世界のどこにも売っていない「兜」です。

時代にあわせて、風習のかたちが、少しづつ変わっていくのは、悪いことではないと思います。
続いていってほしいことは、人の願いや祈りを、しっかり目で感じる、口で感じる、耳で感る、行動で感じる…こと。
子供たちには、そこに込められているものを、しっかり感じてほしいと思います。

5月5日、私も、プクプクに込められたものを、しっかり舌で味わいたいと思います。

* * *

【撮影ヒント】
プライベートでのお節句映像作品の内容例を、少しだけご紹介します。
・家族でこいのぼりの準備風景
・家族全員いっしょに、「かしわ餅」「ちまき」をパク
・お父さんと菖蒲湯に
・家族で童謡「こいのぼり」
・家族で兜の折り紙
・大きな「こいのぼり」飾りの口の中にわが子
・♪5月5日の背くらべ(柱の傷)
・最近は武者姿になれるスタジオも増えました。

ちょっと変わったものでは
・家族全員で鯉に扮して、横に並び、物干し竿を一本持ち上げる → 映像を90度かたむけて完成
・お父さんの顔に、鯉のお化粧
・ペットの犬や猫に、鯉の格好
・大人は、鯉の料理で一杯
・カープファンは特別な一日

5月5日は、楽しい時間を過ごしてね。


 2019.5.3
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